先月は震災の影響でいいの歯科医院衛生士勉強会は延期となていました。
従って今月は勉強会は2回開催します。(いいの歯科医院は甘くありません!^ ^)
今夜はその1回目。
内容はスタッフのリクエストから院内感染予防のお話・・・。
院内の感染予防対策には、「患者さんを守る交叉感染予防」と「スタッフを守る院内感染予防」の二つのキーワードを考慮して行うことが実践しやすい。
基本的には患者さんのお口に入った器具は、薬液消毒により感染リスクの低いレベルまで下げ、そこから洗浄を行い滅菌操作へ移行させる。
これにより、洗浄を行うスタッフが万一針刺し事故などを起こしても、より安全な怪我で済む様な環境を整える。
もう一つは交叉感染予防対策である。
交叉感染予防とは患者さんから医療従事者、医療従事者から患者さん、患者さんから患者さんへの感染を予防することである。
これはインプラント手術などの観血処置の予防対策に準ずれば良い。(清潔域と不潔域の徹底である。)
さらにはエアータービンの滅菌も交叉感染予防の主たるものである。
エアータービンとは高速で歯を切削する器具である。キィーンと唸るあの嫌なドリルだ。
エアータービンはその回転が停止する時、エアータービン内が陰圧となり、患者さんのお口の唾液や血液を吸い込むと言う困った性質がある。
これを防止するために逆流防止機能が付与された診察台があるが、コストがかかるためか取り入れている医療機関は多くないそうである。
(ちなみにいいの歯科医院の4台の診察台はすべて設置している。)
エアータービン内に吸い込まれた汚染物は「滅菌」と言う処理を行わない限り感染性が無くならない。
(ちなみにいいの歯科医院はエアータービンをすべて滅菌処理している。)
にも関わらずエアータービンを滅菌している医療機関は全体の4分の1程度だそうである。(とある県歯科医師会の調べ)
それは言い換えれば、逆流防止機能がないエアータービンを、滅菌処理せず再使用すると、次の患者さんに汚染物を噴霧していることとなる。
「この処理を行わないと、どのくらいのリスクで感染症を発症するのか?」などは愚問で、歯科医師と言う自然科学者であればナンセンスであるのは承知だ。
福島原発の汚染水にも劣らない、人災な汚染水の噴霧・・・。
写真はエアータービンのメインテナンスと滅菌に欠かせないプチクレーブとオートルーブ。